治験コーディネーター(CRC)は、医療機関で治験を滞りなく進めるためのサポート、すなわち橋渡し役を行う仕事です。具体的には、被験者に対し、治験の詳しい説明やメンタルケアをし、治験に取り組む医師などスタッフの連絡調整を行い、スケジュールの調整や検査などで得たデータを管理するといった仕事が挙げられます。
CRCは医療の専門性が高く多岐にわたる業務をこなす必要があるため、看護師をはじめとした医療資格を持っている人が優遇される傾向にあります。それ以外には、パソコンスキル、コミュニケーションスキルおよび学習意欲が高い人が望まれます。実際、パソコンで資料の文書作成をする機会が多く、被験者や医療スタッフとコミュニケーションを取る場面も多々あるため、特に医療現場の橋渡し役である看護師のスキルが大いに活きるでしょう。
看護師がCRCになることのメリットは、夜勤がない点でしょう。土日祝日が休みになり、残業の機会も少ない職場が目立つため、家庭との両立がしやすくなります。また、次に挙げるメリットが、デスクワークがメインである点です。主に、病院の看護師は立ち仕事や力仕事が多く、体力的な負担が大きい傾向にあります。一方、CRCはデスクワークが多く、身体への負担は比較的軽く済みます。
加えて、転身後も医療の知識を発揮できるのは嬉しいポイントでしょう。もちろん、治験に関する知識は、転身後に身につけなければなりませんが、医療の知識は看護師時代から引き続き活用できます。看護経験で得た知識・経験を無駄にすることなく、全く異なる環境で活躍したい方におすすめの働き方です。